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PG34 鳩図
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久隅守景
紙本肉筆水墨 牙軸 時代三段本表装 桐時代箱タトウ付 江戸時代初期
大正四年松沢家売立目録所載
画:911mm×272mm 軸:1721mm×374mm(軸先含まず)
¥300,000
Morikage Kuzumi
Early Edo period (17C)
久隅守景は狩野探幽の弟子で、寛永から元禄にかけて比較的多くの作品を残していますが、生没年や出自など、詳細は不明で謎の多い画家です。探幽門下四天王の一人と謳われ、画聖雪舟と肩を並べるほどとの評判でしたが、やがて狩野派とは距離を置き、後に金沢に住んで、独自の自由な画題と瑞々しい技法で農耕図などの風俗画を描きました。この絵は、素早い筆致で、柳の枝上で休んでいる鳩を描いています。墨の濃淡をうまく使って柔らかな筆さばきで、しなやかな柳の枝と葉先を描き、鳩は墨をたっぷり含ませた筆で瑞々しく描き、息遣いが感じられるような仕上がりです。左端に寄せた構図は非凡で、余韻を感じさせると同時に、鳩の次の動作を予感させます。これは晩年の作品であり、守景が到達した高い境地をうかがうことのできる名作です。
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