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JT1153 花菱雁金透鐔
無銘:尾張
鉄地丸形 角耳小肉 桃山時代〜江戸時代初期
86.0mm×84.1mm×耳4.7mm(切羽台4.3mm)
上製桐箱入落込済
「尾張」として保存刀装具鑑定書付
¥380,000
Owari. Design of the flower and wild goose.
Momoyama 〜 Early Edo period
NBTHK Hozon Tosogu Certificate as “Owari”.
尾張透という名称は古くにはなく、近世になってから、秋山久作翁が透鐔を整理分類した折に名付けられました。実際に尾張で作られたかどうかはわかりませんが、焼き手の手法や鉄骨が、尾張出身の山吉兵衛、法安や貞廣に似ているためにその前身と考えられました。室町時代の尾張透の特徴は、鉄地丸形で中低、角耳小肉で、主に左右シンメトリの大胆な透かしで鉄骨の入った槌目仕立てです。この鐔はそういった尾張の伝統を伝えていますが、さほど中低にならず、透かしもていねいで優しく雅で、京透かしの影響を受けたものと思われます。時代は室町まで上がらず桃山時代から江戸初期にかけての制作であると思われますが、黒々とした錆色やゆとりを感じさせるおおらかな透かしは尾張の魅力を充分に伝えています。これほど大きな尾張は大変珍しく貴重です。
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