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PH19 慢峰聴泉図
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矢野橋村
絹本肉筆水墨淡彩 骨軸 生ぶ二段丸表装 桐共箱
画:1258mm×354mm 表装2008mm×492mm (軸先含まず)
¥180,000
Kyoson Yano.
1890〜1965
矢野橋村は、明治の終わりから昭和にかけて活躍した南画家で、大阪美術学校を創設したことでも知られています。明治二十三年(1890)に愛媛県越智郡に生まれ、大阪陸軍兵器廠で勤務中に左手首切断の事故に遭い、その後南画家を目指して永松春洋に師事しました。大正三年(1914)に文展に出品した「湖山清暁」が褒章を受賞し認められました。その後は大阪における芸術の抜本的改革を提唱する「主潮社」を組織して、毎年、大阪と東京で展覧会を開催しました。大正十年(1921)年には河野秋邨や池田桂仙らと「日本南画院」を、大正13年(1924)には私立大阪美術学校を設立しました。昭和四十年(1965)に74歳で亡くなっています。
この絵は、山中の泉の辺りで、その音を聴きながら瞑想する隠者を、自由な筆致で描いています。霞んだ山々、紅葉を迎えた木々、岩の上にのんびりと座る隠者やゆったりとした流れなど、心地よい時の流れと空気感が漂ってきます。それらが渾然一体となって、心の落ち着きだけではなく、悟りの本質を描こうとした南画本来の味わい深い仕上がりとなっています。
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