JT1022 輪宝透鐔
無銘:古刀匠
鉄地丸形土手耳 丸耳 南北朝時代
95.6mm 95.4mm 耳:2.9mm (切羽台:3.2mm)
上製桐箱入落込済
「甲冑師」として保存刀装具鑑定書付
¥320,000
Ko-tosho. Design of wheel treasure.
Nanbokucho period.
NBTHK hozon paper as "Kachushi".
刀匠鐔は、古い時代に刀匠が一刀を鍛えたときに添えたものが起源と言われ、この名称が付きました。かつては秋山久作翁が600年の星霜を経たものもあると言われましたが、近年は室町中期頃とされていました。しかし、笹野大行氏が「刀装具の起源」の中で「伴中納言絵巻」に出てくる下僕が腰に指している打刀に付けられていたものとして、鎌倉時代からのものと定義をされました。この鐔は大形であることから野太刀や長巻などの長寸の刀に掛けられたものと思われます。透かしはていねいで、格調が高く、保存状態も良好で平地には漆が残っています。耳のない鐔は、笹野大行先生が著された「透鐔」以降は古刀匠として分類するのですが、保存協会ではこのように平地いっぱいに透かした鐔は「甲冑師」として分類しているようです。また、制作時代が古くても、保存状態の良いものは「古」が付けられずに「甲冑師」とされてしまう傾向にありますが、このように雰囲気がある大ぶりの鐔は、南北朝時代に流行した大太刀や長巻に掛けられたと観る方が自然です。



